スタートアップが対象となる特許に関する料金の減免制度について
特許に関する料金の減免制度
スタートアップは特に資金が大切ですが、特許を権利化するまでには、①特許出願、②審査請求、③特許料の3段階で、特許庁へ特許印紙による実費費用が発生します。
スタートアップや個人事業主の方であれば、特許庁への申請により特許料等の減免措置を受けることができ、費用を軽減できます。そのため、特許出願を検討されていましたら、特許事務所や弁理士の方にご相談いただくなど、減免制度を上手く活用されることをお勧めします。
以下に減免制度についてご紹介をします。
対象となる要件は以下の通りです。
対象者
(1)個人事業主の場合
【出典】特許庁サイト
・事業開始後10年未満であること
(2)法人の場合(以下のいずれにも該当すること)
・設立後10年未満で資本金額又は出資総額が3億円以下の法人であること
・大企業(資本金額又は出資総額が3億円以下の法人以外の法人)に支配されていないこと
対象が大企業の支配下にない設立10年未満の企業となりますので、多くのスタートアップが対象となるかと思います。
(その他対象等の詳細は、特許庁サイトをご確認願います。)
減免措置の内容
上記対象者は、以下の通り、審査請求料と特許料を1/3に軽減できます。
・審査請求料 : 1/3に軽減
【出典】特許庁サイト
・特許料(第1年分から第10年分):1/3に軽減
1つの例としまして以下の表を目安に、特許料等の減免制度の活用による軽減の金額をご参考ください。
(金額は、請求項の数等によって変動します。)
【審査請求料・特許料の減免】
※請求項の数が10の場合(2020年1月現在)
単位:円
上記の通り、減免制度を活用することにより、合計約28万円の軽減を受けることができます。
なお、特許出願等に関して特許事務所に依頼する際、上記実費金額以外に別途代理人費用が発生しますので、ご注意願います。
代理人費用を含めた詳細は、各特許事務所にご確認ください。
PCT(国際特許)出願の減免内容
海外へ特許出願する際、PCT(国際特許)出願、国際予備審査請求に関して、減免制度があります。
以下の通り、1/3に軽減、納付金額の2/3相当額の交付を受けられます。
※国際出願に係る手数料は、日本の特許庁に日本語で国際出願をする場合に対象となります。
・送付手数料・調査手数料:1/3に軽減
【出典】特許庁サイト
・予備審査手数料 :1/3に軽減
・国際出願手数料 :納付金額の2/3相当額を交付
・取扱手数料 :納付金額の2/3相当額を交付
PCT(国際特許)出願に関する料金
1つの例としまして以下の表を目安に、PCT(国際特許)出願に関して、減免制度の活用による軽減・交付の金額をご参考ください。
(金額は、オンライン・紙による出願、書類の枚数によって変動します。)
【送付手数料・調査手数料の減免、国際出願手数料の交付】
※オンライン出願、書類の枚数が30枚までの場合(2020年1月現在)
単位:円
上記の通り、減免制度を活用することにより、合計約13万円の軽減・交付を受けることができます。
国際予備審査請求に関する料金
1つの例としまして以下の表を目安に、国際予備審査請求に関して、減免制度の活用による軽減・交付の金額をご参考ください。
(書類が日本語の場合となります。)
【予備審査請求の減免、取扱手数料の交付】
書類が日本語の場合(2020年1月現在)
単位:円
上記の通り、減免制度を活用することにより、合計約3万円の軽減・交付を受けることができます。
以上のように、減免制度を活用することで特許に関する費用の軽減ができますので、特許出願を特許事務所に依頼される際は、減免制度の活用についてもご相談されるとよいかと思います。
前述しておりますが、上記ご紹介の実費金額以外に、別途代理人費用が発生しますので、ご注意願います。
代理人費用を含めた詳細は、各特許事務所にご確認ください。