プロダクト・サービス名は事前に商標調査していますか?

プロダクト・サービス名は事前に商標調査していますか?

事業を展開するにあたって、ブランディングのためにも、プロダクトやサービスのネーミングやロゴを考えることがあるのではないでしょうか?そのような商品名やサービス名を権利として保護できるのが商標権です。

以下のロゴなどの商標は、どの会社のものかすぐにわかりますよね。

【権利者】Google LLC
商標登録第5905480号公報

【権利者】Google LLC
商標登録第5893980号公報

ネーミングを考える際は、ユーザーがそのネーミングから、プロダクトやサービスの内容をイメージできると覚えてもらいやすいですよね。ただ、言葉の単なる組み合わせなや誰もが思いつきそうなネーミングの場合、他者が既に同一または類似商標の権利を持っている可能性があるので、注意が必要です。

実は、国内だけでもプロダクト名やサービス名などの商標は、年間約18万件商標登録出願されています。
そのため、同一・類似の商標を既に他者に権利として取られていないか調査することは大切です。

※2018年商標登録出願件数:184,483件

 (出典:特許庁ステータスレポート2019)

そのプロダクト・サービス名、他者が権利を持っているかもしれません

商標権は、先に特許庁に商標出願した者に権利が与えられるため、早い者勝ちとなります。そのため、自社サービスにて展開予定のプロダクトやサービス名が、他者に既に商標権として権利を取られているかもしれません。

その場合、商標的な使用ができなくなりますので、自社サービスの展開を検討する段階にて、プロダクト名やサービス名の商標調査をすることは大切です。起業予定の方もまた、起業前に会社名の商標調査をしておかないと、起業後に他者が同一社名の商標の権利を持っていたなんてことが起きる可能性があります。

また、商標出願前にプロダクト名やサービス名をプレスリリース等で公開してしまうと、悪意のある第三者にそのネーミングを先に商標出願されて、権利を取られてしまうことがあります。そのようなことが起こらないように、公にする前にプロダクト名やサービス名の商標出願をすることを検討しましょう。

簡易な商標調査でしたら、無料で提供されている特許情報プラットフォームJ-PlatPat(ジェイプラットパット)を利用すると同一・類似の商標があるか調べることができます。

下記の検索窓に社名やサービス名を入力すると簡単な商標調査ができるので試してみてください。詳細な調査を特許事務所や弁理士にご相談される前に、簡易的に使用されるといいと思います。

J-PlatPat
【出典】 工業所有権情報・研修館

また、もしも商標調査をした結果、同一の名称があったとしても、商標は商品・サービスによって45の区分に分かれていて、権利が取得されているとも限りません。

自社の商品やサービスと異なる区分である場合や、そもそも商標登録がされておらず権利化されていない商標の場合、商標出願することで権利を取得できる可能性があります。自分で判断がつかないときは、特許事務所の弁理士の方にご相談されることをお勧めします。

商標調査をした結果、他者が商標の権利を持っていたら?

自社で使用したい商標と同一・類似の商標が見つかった場合でも、商標権として権利化できる可能性はあります。

その際は、実際にその商標が商標登録され権利化がなされているのか?権利維持のための年金が支払われているのか?など、商標権として権利があるのかを確認します。権利化がされていない場合は、自社で商標出願をすることにより、権利化できる可能性があります。

ただ、商標調査をした結果、他者がその商標の権利を持っていた場合は、権利者がその商標を3年間使用しているかなど確認をした上で、権利者からライセンスや買い取り、または、プロダクト名やサービス名の変更の検討などが必要となってきます。

もしも他者が商標権を保有しているにも関わらず、その商標であるプロダクト名やサービス名を使用してサービス展開をした場合、商標権侵害として、警告や損害賠償請求・差止請求の訴訟を受けるリスクがありますので、早期の商標調査は大切です。

サービス展開後に、同一・類似の商標が見つかり、プロダクト・サービス名の変更が必要となってしまうと、それまでに築き上げてきたブランド・信用を失ってしまいます。そうならないためにも、サービス展開前に商標調査をしておきたいですね。

商標は半永久的に権利を保持できますので、ブランディングの観点からも、商標の調査や権利化することを検討するといいかと思います。

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