ビジネスデザインによって新しい関係性を創出する、CEO山口 偉大氏のインタビュー

【今回のインタビュー】
Founder&CEO
山口 偉大氏

早稲田大学在学時に、EC事業を共同創業。日米でのビジネスを展開。卒業後は、新卒でPR会社へ入社。ナショナルクライアントを中心に幅広いPR/マーケティング支援に従事。その後、IT系Start-Upへ転身。4年連続で数億円規模の事業を作り続け、各事業の事業部マネージャーや経営企画を歴任。2019年7月より独立。Business DesignerとしてStart-Upから一部上場企業まで幅広い業種・規模の企業様の新規ビジネス立ち上げ/成長を支援中。2019年12月Start-X,LLC設立。

Start-X,LLC
 URL: https://start-x.work

今回、Start-X,LLCのFounder&CEO山口偉大氏に、つなぐIP編集部より、起業された経緯や事業への想いなどをインタビューさせて頂きました。

-2019年12月に起業されていますが、社名の由来とビジョンについて教えていただけますか?

Start-Xという社名ですが、元々は個人事業主の屋号です。当時スタートアップにいながら副業として、新規事業が多くありつつも事業成長に悩んでいる様々な企業に対し、新しい施策のサポートをしていました。そういった中で、スタートをサポートしたいという想いから、始まりの“Start”という意味と、何にでも変えられる変数であり好きな言葉でもある“X”を組み合わせ、屋号として付けました。他にも“X“には様々な意味を込めていますが、法人化する時にも、その想いは変わらないので“Start-X”という名称をそのまま社名にしています。

また、世の中によくあるような構造を変えることによって、新しいビジネスが生まれやすいのではないかという着想から、組織のビジョンを“Update Relationships”としています。例えば、マーケッターと広告代理店、会社員とフリーランスなどといった、よくある構造を変えていきたいと思っています。

なお、組織に関してギルド型チームという表現をしていますが、実験としてメイン事業に社員を置かない組織となっています。フリーランスのチームで、どうやったらクライアントと関係性を変えながら、新しい事業作りをパートナーとしてできるかチャレンジしています。

人, 室内, 壁, ラップトップ が含まれている画像

自動的に生成された説明

-組織としても挑戦されているのですね。フリーランスから起業するまでは、どういった経緯だったのですか?

フリーランスとして独立する前、スタートアップと副業の並行で走っていた中で、当時は事業部を2つもたせてもらったり、最終的には経営企画をやらせてもらったりと、とても楽しかったですね。ただ、ある程度組織が大きくなり、会社として新しく事業をやるよりも、組織を固めるフェーズとなった中で、それは私が将来的にやりたいことなのかと悩みました。その中で、半年ほどじっくり準備をしてフリーランスになりました。

そこで、私がやろうとしているビジネスデザインとか、企業側からしたらパートナーソリューションが、私の思い描くターゲット層に対してしっかりマッチするのかフリーランスとして活動したところ、引き合いがあり、世間のニーズにマッチしていることがわかりました。

フリーランスになる時は、法人としての起業を念頭に置いてはいたものの、すぐに起業しようとは考えてはいませんでした。起業が前提にあるので、フリーランス期間は仮説検証のフェーズとして活動していた感じですね。

ただ、プロジェクト数が増えてきたことによって、一人では立ち回らなくなってきました。よりそのクライアントに価値提供をしたいときに、私はシステムとかマーケッターのプロではないため、その領域のプロの方たちと組んだ方が企業成長や事業成長につながりやすいだろうとの想いから、法人を設立し起業しました。

-そのような経緯だったのですね。起業される際、知的財産を意識されることはありましたか?

そうですね、商標はぱっと思いつくため確認をしましたが、テック企業でない場合、知的財産が必要なのか?またどのような場面で必要なのか?など、正直なところ知的財産についてよくわかってはいません。ただ、商標権侵害でサービスが訴えられたという話は聞いたことがありますし、戦略を立てる際にも知的財産は重要だとは思っています。

ファイナンスや会計はやらなければいけないと思いますが、知的財産はレピュテーションリスクなどのように、守りの施策として考えている人が多い印象ですね。

-ありがとうございます。起業されてやりたいことは何でしょうか?

純粋な想いとして、新規事業を作るところをサポートしたいです。また、法人を設立しようと考えた時に、私の祖父が以前会社を経営していたことを思い出しました。祖父は、地域の通信インフラを作る事業の会社を経営していましたが、事業承継ができないまま廃業になってしまいました。そういった背景もあり、地方の事業承継についてもやって行きたいと思っています。ですので、将来的にやっていきたいことは、新規事業と地方の事業承継の掛け算ですね。

その一つの方法として、中長期的にはサーチファンドなど、資金と人を送り込むことによって事業承継を解消し、若手にも経営の機会を与えられるようにしたいと思っています。

それを実現するには、地方の企業に対し若手人材やチームに入ったことによって、業績を伸ばせたといった実績が大事だと思います。東京と地方では、まだ情報取得格差がありますので、ビジネスの第一線である東京で戦っていた人たちが、地方に行って会社を伸ばせるという実績を積み上げたいですね。

-地方ならではの課題もありそうですね。企業からはどのような課題や相談があるのでしょうか?

企業によって課題はまちまちですが、既存事業のものと中長期的なものがあったりします。

既存事業であれば、マーケティングが上手くいっていないということや、中長期的なものであれば、マーケットがシュリンクしていて、会社が存続できない、売上が伸びないといった話が最初に出てくることがあります。ただ、話を深堀していくと課題がそれだけではないことが多いですね。

私はその企業の事業体を見ますので、事業をやる中でのプロセスに入ることはありますが、組織改善をしますということは基本的にはしません。事業を通じて会社を変えていくことをビジネスデザインのプロセスとしてやっています。

そのビジネスデザインは、事業開発・体験デザイン・ブランディングといった、事業を構想するところ、アップロードで作るところ、裾野を広げていくところ、などを含めた全体のことをいいます。それぞれの領域のプロであるフリーランスを集めていて、半年一年スパンでロードマップを敷いて企業のサポートをしています。イメージとしては、経営企画や新規事業担当者などを外に出してもらっている感じですね。

-企業の事業体をみているのですね。競争優位性であったりやりがいはどこにあるのでしょうか?

ビジネスデザインのファームは他にもありますが、私はビジネスデザインはデザイン思考だけではなく、デザイン思考などを取り入れながら、ビジネス全体を考えながら形にしていくことと定義しています。

大手企業が同等のサービス提供する場合、人件費やオフィス代、顧客の獲得コストを考えると単価が高くなってしまいますが、ビジネス構造上、そうならざるを得ません。

私はオフィスを持たず、人件費もフリーランスのため抑えることができるため、その分単価を下げて提供することができます。ただ、それでも単価が合わない企業様には、他の企業様とコラボして、チームスポットコンサルなどアドバイザリーとして、オンラインなどで提供しています。

やりがいについては、私はビジネスが形になる瞬間に感じます。形になってしっかりとその黒字化が見えたり黒字化したり、人も追加で雇って仕組化もある程度されていくというタイミングですね。

-最後に、今後の目標について教えてください。

今後の目標は、地方の経営課題を変えていきたいですね。地方の事業承継やビジネス事業体を作ったり成長をさせるなど、企業の経営課題を解決していく中で、NO.1の会社になりたいと思います。それを地方企業の予算感などに合わせた形で提供をしたいと思っていますので、今のスタイルは崩さないと思います。

現在、地方の事業承継に関する一つの足掛かりとして、今年の頭から月に1回福岡に出張に行ったりなど、現地の経営者に会っています。今年の戦略の一つとして、地方の経営者の事業承継の相談窓口としての利用が多い、地方の金融機関や士業の人とつながることを考えています。また、地方の経営課題を変えていくためには、コンサルだけではだめだと思っていて、2つ目の事業体を作っています。

2つ目の事業体は、Style-Xという事業部名にて美容室をやっています。美容室は、新規の顧客獲得と既存顧客のリピート施策があり、新規顧客はマーケティング、既存顧客は技術と物販の売上で成り立っています。また、美容師はフリーランスの人が増えているのですが、コマが空いてしまうといった課題があったりします。この事業を通して、集客や流通、物販など、ビューティ領域をどのように変えられるか挑戦したいと思っています。

今後も新しく事業はやっていきたいと思っていて、音声とかアートなどに着目しています。新しい事業をやり、成功させ続けているというのが大切だと思っています。

◼︎bosyu

【PR】
現在、東京だけでなく地方・海外企業さんまで様々なPJを持ち込んでいただいており、一緒に私とギルドチームを作りあげてくださる方を募集しています。

各SNSのDM、HPのContactもしくはbosyuよりお気軽にご連絡ください。

編集部からのコメント
 今回はCEO山口 偉大氏に、つなぐIP編集部より、起業された経緯や事業への想いなどについてのインタビュー記事でした。
 Start-X,LLCにて、ビジネスデザインやギルド型チームなど、新しい取り組みをされています。地方の事業承継など社会的課題にも取り組んでおり、今後の展開にも注目ですね。インタビューをしていて、論理的でとてもわかりやすくお話をされていたのが印象的でした。新規事業や事業成長に悩んでいる企業がありましたら、まずはご相談してみてはいかがでしょうか?

関連記事一覧