そのプロダクトデザイン、製品化前に公にしていませんか?
そのプロダクトデザイン、製品化前に公にしていませんか?
プロダクト開発に関わっているとデザイナーの方など、そのプロダクトデザインを展示会やWEBサイトなどで、早く公表したいと思いませんか?
ただ、プロダクトデザインは見た目で認識をしやすいため、1度公にしてしまうと、コピー品や類似品など模倣されるリスクが高くなってしまいます。しかし、意匠権として権利化することで、模倣品対策としての権利の活用などができます。
物品の形状や色彩などのデザインは、以下のように製品や画面デザイン(UI、アイコン)など、意匠権として保護することができます。
※2020年4月1日に施行される意匠法の改正により、物品以外の「画像」、「建築物」、「内装」も保護されます。
権利者:ソニー株式会社
意匠登録第1610882号公報
権利者:Apple Inc.
意匠登録第1637483号公報
なお、特許や商標と比較すると数は少ないですが、意匠登録出願は1年間で約3万件されています。
2018年意匠登録出願件数:31,406 件
(出典:特許庁 ステータスレポート2019)
他者が同一または類似のデザインの意匠の権利を取得している可能性がありますので、事前に意匠の調査をすることも大切です。
プロダクトデザインを意匠出願前に公にしてしまうと、基本的に意匠権として権利化できません
プロダクトデザインは、特許庁に意匠出願前に公にしてしまうと、基本的に意匠権として権利化ができません。つまり、製品化前の段階に展示会等で公にしてしまったプロダクトデザインは、基本的に意匠権として保護ができなくなるため、注意が必要です。
(例外の適用の可能性はあります。)
他者の意匠を調べたい方は、無料で提供されている特許情報プラットフォームJ-PlatPat(ジェイプラットパット)を利用すると、公開されている意匠を調べることができます。
サイトにアクセスし、下記の検索窓に社名を入力すると、どのような意匠出願がされているか確認することができます。ただ、意匠分類など詳細な検索は経験や慣れが必要なため、意匠調査をされたい場合などは、特許事務所や弁理士にご相談されるといいと思います。
J-PlatPat
【出典】 工業所有権情報・研修館
こちらは、画像意匠分類が付与された登録意匠の公報が蓄積されており、無料で提供されている画像意匠公報検索支援ツール Graphic Image Park です。枠の中に画像をドラッグ&ドロップして、結果を表示すると類似の画像意匠が出てきます。
Graphic Image Park
【出典】 工業所有権情報・研修館
意匠権には独占排他権として、独占権がありますので、模倣品を見つけた場合は、排除することができます。ただ、他者が意匠の権利を持っているにも関わらず、そのプロダクトデザインを使用して製品化をしてしまった場合、意匠権の侵害として警告や、損害賠償請求・差止請求の訴訟を受けるリスクがあります。
意匠権として権利化することにより、デザインのブランド化や、コピー品、類似品の排除や牽制ができますので、プロダクトデザインを公にする前に意匠出願によって権利化することを検討するといいかと思います。