特許事務所・弁理士について
特許事務所について
特許や商標など、知的財産に関する相談をしたいときは、特許事務所であれば知的財産の専門家である弁理士に相談することができます。
特許事務所とは、弁理士が開設した知的財産業務を代理する事務所のことをいいます。
特許・実用新案・意匠・商標などの書類作成や、特許庁への手続き等の代理業務を行います。
特許事務所という名称は弁理士法によって、 『弁理士又は特許業務法人でない者は、又はこれに類似の名称を用いてはならない(弁理士法76条1項)』とされていますので、弁理士以外の人が名称を使用することはできません。
また、複数の弁理士が共同して創立した法人は特許業務法人といいます。特許事務所と業務内容に違いは特にありません。
特許事務所(特許業務法人含)を地域別でみると、以下の図の通り、半数近くを東京が占め、次に大阪と続き、その他地域となり、東京に特許事務所が集中していることがわかります。
【出典】 日本弁理士会 弁理士ナビでの検索結果を基に作成
特許事務所に所属する弁理士はどのくらいの割合かというと、以下の図の通り、特許事務所の約7割が弁理士1人となっています。
【出典】 日本弁理士会 会員の分布状況 (2019年9月30日)を基に作成
なお、特許事務所の約9割が弁理士3人以下の割合となっており、弁理士が80人以上の大手事務所となるとわずか0.2%しかなく、多くの特許事務所が少人数の弁理士で経営をしていることがわかります。
弁理士について
弁理士とは、知的財産に関する専門家であり、他人の求めに応じて、特許・実用新案・意匠・商標などの書類作成や、特許庁への手続き等の代理業務を行うことのできる国家資格者のことをいいます。
(上記業務は、弁理士又は特許業務法人の独占業務とされており、弁理士資格を持っていない人がこれらの業務を報酬を得て行うことは、弁理士法で禁止されています(弁理士法第75条))
弁理士は、現在11,504人(2019年9月30日時点)おり、平均年齢は51歳となっています。また、弁理士を名乗るには、弁理士試験に合格し、弁理士登録をする必要があります。
その弁理士試験は難関国家試験であり、令和元年の受験者数は3,488人、合格者は284人、合格率は8.1%となっています。弁理士試験の合格者の内訳では、出身校系統別に理工系が78.2%、法文系17.3%、その他4.6%となっており、理系が多いのが特徴です。
(【出典】特許庁 令和元年度弁理士試験の結果より)
弁理士を地域別にみると、以下の図の通り、約半数が東京、次に大阪、その他地域と続いています。
【出典】 日本弁理士会 会員の分布状況 (2019年9月30日)を基に作成
東京に特許事務所や弁理士が集中している理由として、東京に本社を置く企業の数が多く、また知的財産に関する手続きを行う特許庁も東京にあることが挙げられます。
弁理士に特許や商標の出願手続きなどの相談をする際ですが、弁理士には守秘義務(弁理士法第30条)が課されていますので、安心して相談することができます。その中で、自社の事業および技術をしっかり理解してもらえる弁理士を見つけられるといいですね。
なお、特許や商標などは、特許庁へ出願手続きをして終わりではなく、その前段階や出願手続き後も中間対応などといった権利化までに様々な対応や判断が必要となります。わからないことは特許事務所の弁理士の方にご相談されるといいかと思います。